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10月28日(木)のMRT「ペット・ラジオ診察室」のテーマは「子猫を拾ったら」です(追加有り)。

 最近、子猫を拾って来院される方が多いため、今回は「子猫の生後日数の見極め方育て方」について述べる。

拾った子猫の日齢は?
 大人になってしまうと年齢を推定することは難しくなるが、子猫の場合には以下の事をチェックし、総合的に判断することで簡単に推測できる。 

歯:切歯・犬歯の乳歯が生え始める…3~4週齢
  前臼歯が生え始める…5~6週齢
  (切歯12本+犬歯4本+前臼歯10本=計26本)

眼:眼瞼が開く…10~15日齢
  (最初は角膜が曇っているが、その後2週間の間に曇りがなくなる)
  正常な視覚(成猫の視力)…30日齢

耳:耳道が開く…10~15日齢
  機能的な聴力…4~6週齢

歩様:歩行し始める…14~21日齢

おおよその日齢が分かったら、その時期に合った給餌を行う。

 子猫は肝臓でのグリコーゲン予備量は少なく、低血糖に対する肝臓の糖新生能力も乏しいため、低血糖状態になりやすい。そのため、給餌方法は子猫の管理において最も大切となる。

 ★生後1週間は2~3時間おきに授乳を行う。
 ★その後、4~6時間おきと徐々に間隔を伸ばしていく。子猫には最低1日4回は授乳を行う。
 ★歯の萌出を確認したら離乳を開始する。拾った時点で全ての歯が完全に生え揃っている場合には子猫用のフードをふやかして与える。
 ★離乳は急激に行わず、ミルクを少しずつ減らす代わりに仔猫用フードを増やしていく。具体的には、離乳は3~4週間で開始し、6~10週齢で完了する。
★毎日体重測定を行い給与量が適切かどうか判断する。正常では、1日で10~15g増加し、10~14日で2倍の体重となる

 
その他、気をつけることは?
 
 拾ったばかりの子猫は健康状態の悪い場合が多い低体温、脱水、感染症に罹患(鼻汁、目ヤニなど)しているケースも少なくない。衰弱している場合では、早急に保温や輸液(ブドウ糖の注射を含む)、胃チューブによる強制給餌といった処置が求められる

※仔猫の平熱は生後24時間では35.5℃と低く、その後生後1週間までに38℃まで上昇し、生後1ヶ月で成体体温(およそ38.5℃)に達する。

仔猫は生後約1週間まで、たとえ寒くても震えることが不可能なため熱産生を増やせない。また、生まれた直後は皮下脂肪がほとんどなく、体重当たりの体表面積も大きいため、仔猫は低体温状態に陥り易く、生後2週間~1ヶ月でようやく恒温動物になると理解すべきである

※家庭で保温する場合には、保温マットや湯たんぽ、ドライヤーを使用する。この時、低温火傷に注意する。具体的な保温マットの設定温度は、生後24時間では30~33℃、生後4~5日では26~30℃が目安である。 

 最低でも2~3日はこまめに給餌し、健康状態が改善してから上記の給餌方法を開始する。

 ※低体温時では乳を吸う反応は欠如し、正常な消化管運動は停止する。この時点での給餌は誤嚥性肺炎の可能性が著しく高いため行わない。また、呼吸抑制、免疫系の機能異常、徐脈、脱水症などを合併している場合も多いため、重症例では早急な輸液や浣腸など、適切な治療が必要である。
 
文責:獣医師 棚多 瞳

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