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2月3日(木)のMRT「ペット・ラジオ診察室」のテーマは「短頭種気道症候群」です。

<今日のワンコ>
 140日齢、6.3kgの♂のフレンチ・ブルドッグ。30分前に犬用のガムを飲み込んだ(与えた)。その後3回吐き、ガムの一部が出てきた。
●胸部レントゲンで食道の胃側に異常陰影あり。
●バリウムによる造影で同部位に異物を確認。
●ガス麻酔によって気管内挿管を試みるも喉頭、いわゆる気管の入口が狭過ぎて挿入できず。2、3回再挑戦したがやはり困難。
●覚醒後、食欲が有りそうなので缶詰のフード(バリウム含)を与えたら、フードは胃まで到達するがガムはそのままで胃へ移送されす。
●ガムがふやけて柔くなったら胃へ移動する可能性を期待して帰宅。
●翌日の午前中の造影検査で食道内異物(ガム)の消失を確認。

<今日のテーマ>:「短頭種気道症候群」
●短頭種とは頭蓋骨に比べ鼻が短い犬種。同じ位のものは中頭種。鼻の方が長いのが長頭種。
●交配で鼻の短い犬=「鼻ペチャ犬」を選抜して作った犬種。
●遺伝および好発犬種:イングリッシュ・ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、ボストン・テリア、パグ、ボクサー、ペキニーズ、シー・ズー
●疫学
①動物種:短頭種気道症候群は犬だけに発症する。
②年齢:来院時の平均年齢は3~4歳。
③3~12ヶ月若年齢で既に呼吸困難の見られる例。
④中齢犬で数年かけて重度の呼吸障害に進行した例。
●短頭種気道症候群に見られる3種の主要な解剖学的異常
①鼻腔狭窄
②軟口蓋過長
③気管低形成
⑤上記のいずれかあるいは全てが短頭種気道症候群の犬に見られる。
⑥気道抵抗の上昇に因る二次的な気道の変化として
a.喉頭小嚢反(外)転。
b.喉頭虚脱(若齢の犬、特にボストン・テリアとパグは喉頭軟骨が非常に柔らかいために見られることが多い)。
●肥満は増悪因子。
●非心原性肺水腫/急性呼吸速迫症候群
①重度の上部気道閉塞に対して犬が強く過剰に息を吸い込むことで生じる。
②上部気道閉塞が緩和されてもチアノーゼ/低酸素血症が持続する原因となる。

対策
①「今日のワンコ」のフレンチ・ブルドッグのように麻酔下での処置が必要となる原因をつくらない。
②避妊や去勢手術は他の犬種に比べ遅めに、十分に成長してから行う。
③その手術時には、鼻腔や咽頭、喉頭の解剖学的異常の程度を判定してもらう。
④日頃の生活に支障を来す程度(例えばチアノーゼ)の呼吸器症状があれば、例えば喉頭小嚢の切除を実施したり、軟口蓋過長症では軟口蓋の切除を検討する。

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