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7月14日(木)のMRT「ペット・ラジオ診察室」のテーマは「心拍数と心電図」についてです。

<はじめに>
Q:胸に耳を当てると、うちの犬は脈が跳んでいると思うのですが、不整脈でしょうか
A.御心配なく、その多くは呼吸性や洞性不正脈といって、人では異常ですが犬では正常です。この他、犬と猫では心臓を納める胸郭の形状に個体差があり、また心臓の栄養血管である冠動脈の心筋内での分布や刺激伝導系の走行が人間の心臓と解剖学的差異があるため、心電図の波形を人と同じように理解することはできません。また、犬猫は動脈硬化などが人に比べて発生しにくいため、狭心症や心筋梗塞の疾患が多くありません。このことも外来で心電図を取る機会を少なくしている要因です。しかし、麻酔中や緊急時にはさまざまな不整脈が見られます。手術中は必ず心電図のモニタリングを行い、必要に応じて薬物投与を実施します。もちろん、心肺停止状態では不整脈の種類を即時に読解し、適切な処置や抗不整脈の投与などを行います。

1.正常な心拍数
イヌ 70~160回/分
・ネコ 100~240回/分
・ヒト 60~70回/分。
・運動の強さ、環境温度に応じて心拍数増数。
心疾患を有する犬、猫では家庭での安静時の心拍数が疾病の進行度合いや治療効果の評価に有効。家庭での安静時の1分間の心拍数は犬で100前後、猫で150前後である

2.心拍数の診かた
・聴診、心エコー、心電図、股動脈触知など。

3.心電図(electrocardiogram:ECG)とは
・体表面から心筋の電気的な脱分極および再分極の過程を描出。

4.心電図で得られる情報
・心拍数、調律および心臓内の伝導。
・心房・心室の拡張、心筋疾患、虚血、心膜疾患など。
・ある種の電解質不均衡、ある種の薬物毒性など。
・しかし、心収縮の強さの評価はできない。
聴診あるいは心エコーで心拍数や心調律が正常と思われる場合の有益性は低い

5.獣医療において心電図が重要な場合
聴診、エコーで心調律の異常が認められた時
心疾患の進行の度合いや治療効果を評価したい時
手術中のモニタリング
心肺蘇生時

動物病院では心電図検査を目にする機会が少ない為、さほど重要でないと思われている方もいるかと思いますが、必要に応じて実施しています

文責:獣医師 藤﨑 由香

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