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10月6日(木)のMRT「ペット・ラジオ診察室」のテーマは「猫のワクチン」でした。

 今回は猫のワクチンについて、特に最近新しく発売されたワクチンについて述べる。

1.ワクチンとは
体内にウイルスや細菌などの病原体が侵入すると、免疫細胞や抗体が働いてそれらを体内から排除しようとする。ワクチンは弱毒化または無毒化したウイルスや細菌を体内に投与して、前もって免疫細胞にそのウイルスや細菌の情報を記憶させたり、抗体を作らせ、万一ウイルスや細菌が侵入した時に逸早く対応できるようにするものである。

2.ネコのワクチンで防御可能な病原体  
・猫汎血球減少症(猫パルボ)ウイルス
・猫カリシウイル
・猫伝染性鼻気管炎ウイルス
・猫クラミジア
・猫白血病ウイルス
・猫免疫不全(猫エイズ)ウイルス
・各メーカーからそれぞれの感染症に対応できるようさまざまな組み合わせの混合ワクチンが発売されている。

3.猫のコアワクチンは  
・猫汎血球減少症ウイルス
・猫カリシウイルス
・猫伝染性鼻気管炎ウイルスの3種類である。
室内飼育でも感染する危険性のある感染症で、すべての猫への接種が推奨されている
飼い主の靴底や衣類に付着したウイルスから感染するケースや、通院や入院、あるいはホテルなどの際に感染の機会がある

4.猫白血病ウイルス感染症は主として唾液によって伝播し、猫免疫不全ウイルス感染症は主に喧嘩による傷からの伝播形式を取る。そのため完全室内飼育の猫やそれらのウイルスがフリーな群内での接種は必要ない

5.ワクチン研究も進み、新しいワクチンが開発されている
猫カリシウイルス感染症:猫カリシウイルスは抗原変異が著しく、野外には複数の抗原性の異なるさまざまなウイルスのサブタイプが存在する。より幅広い免疫を得るため、日本で分離した猫カリシウイルス3株を組み合わせた新しいワクチンが最近、開発・販売された

6.猫免疫不全ウイルスのワクチンの現状は? 
猫免疫不全ウイルスは複数のサブタイプが存在し、人間のエイズウイルスと同様に、ワクチン開発が難しいとされたが、サブタイプA、B、Dに対する有効性が確認されたワクチンが販売されている。宮崎県ではサブタイプA、Dが流行しているとされ、これが有効である。3種や4種、5種、6種の混合多価ワクチンには含まれていない為、別途に単独での接種が必要である。初年度は3~4週間隔で3回接種が必要だが、その後は1年ごとの追加接種で済む
 
7.ワクチンの感染防御は70%前後
どのワクチンにも言えることだが、ワクチン接種していても100%防御できるわけではなく、70%前後の感染防御(阻止)にとどまる。改めて言うまでもないが、既に感染している個体に接触させない事や、外に出さないことが1番の予防である

8、おわりに、
・ワクチンに含まれている疾患、中でも猫白血病と猫エイズは対症療法以外の特効的療法は治療法が確立されておらず、ワクチンによる予防が第一である。
・ワクチンの種類を選択する際には、飼育環境や地域によって必要なワクチンを獣医師に相談し、予めワクチネーションプログラムを立てて接種することが重要になる。

文責:獣医師 藤﨑 由香

 

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