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6月14日(木)のMRT「ペット・ラジオ診察室」のテーマは「梅雨の注意点」でした。

 飼い主の皆さん、もうフィラリアの予防は始めましたか? 宮崎では4月~12月が予防期間です。また、ノミ・ダニの予防も一緒にしてあげて下さい。散歩にあまり行かないイヌでも、外に出ないネコでもノミ・ダニの予防は必要です。バベシア症やヘモバルトネラ症のような致命的な病気の病原体を媒介します。散歩中だけでなく、ペットサロンや動物病院でもノミ・ダニを移される可能性があります。

 ところで先日、宮崎も梅雨入りしました…。そこで今回は「梅雨の時期に注意してほしいこと(病気)」について話します。梅雨は「黴」の雨とも書きます。雨が降るから黴が蔓延るのか、黴が増殖する時期の雨なのでそう言うのか・・・・・。梅雨と病気との因果関係は、主に湿度が高いことに因ります。梅雨時期ともなると湿度は80%を超えるようになります。

①外耳炎
梅雨のジメジメしたこの時期は外耳炎が多い時期でもあります。特に耳が垂れている犬種や耳毛の多い犬種では要注意です。高温多湿の環境は細菌やマラセチアの増殖に適しています。「足の臭い」や「洗濯物の臭い」もカビの増殖が原因の一つです。カビは65%以上の湿度と20~25℃の環境を好みます。イヌの耳に鼻を近づけて「甘酸っぱい」ような嫌な臭いがしたら、多くはこの「マラセチア」というカビが増殖して炎症を惹き起している可能性が高いのです。耳を脚で掻いたり、床に擦りつけたり、痛がったり、漿液が出てきたり、急に耳垢が増えたりしたら、病院での治療が必要です。そうならないように、この時期には普段より小まめなケアが望まれます。耳の清掃や洗浄は「我流」ではかえって状態を悪化させますので、病院で正しい耳のお手入れ法を教わって下さい。

②散歩後の足のケア
お散歩の後の濡れた趾間はどうしていますか? 濡れたままにすると意外に簡単に皮膚炎の原因になります。趾(指)間の水分や湿気を放置すれば、それが痒みを誘発し舐め始めることで炎症の原因となります。湿気そのものもですが、皮膚炎もマラセチアというカビの増殖を惹起します。お散歩から帰った後はドライヤーなどで乾かすか、もしくは動物病院で処方された消毒薬で消毒するなどのケアが必要です。

③ホットスポット(急性湿疹=急性皮膚炎=外傷性化膿性皮膚炎)
ホットスポット(Hot Spot)とは俗称で、舐めたり掻いたり擦ったりする物理的な刺激で病変が急速に悪化し、病変部は一点集中的に赤く火照って汁(漿液=炎症で滲出する液体)が出ていることに由来します。雨や朝露に濡れたり、蚊やノミに刺されたり、ダニに噛まれたり、軽度の皮膚炎があったり・・・・・痒みを引き起こすあらゆる原因によって惹き起される急性の皮膚病変です。発見したら、手元にエリザベスカラーがあれば装着し、なければ洋服を着せるなどして舐めることや直接擦ることを防ぐことが大切です。通常は病院での治療(毛刈り・消毒・抗生剤内服)が必要です。

④イエダニの発生
アトピーの原因となるイエダニ(コナヒョウダニなど)は湿度70%以上、室温20~25℃の環境を好みます。梅雨はダニにとってイキイキできる状況なのです。また、梅雨には家の窓を閉め切りにしがちですが、これは室内に埃がたまり易くなっています。この埃がダニの繁殖場になります。雨間には窓を開けて換気をし、室内の掃除も普段よりは回数を増やしましょう。除湿機をつけるのも良いでしょう。湿度は50%以下が望ましいが・・・、節電などいろいろ考えますよね・・・。

⑤熱中症
例えば「気温が35℃で、湿度が76%と30%の2つの環境を設定すると、高湿度の方の体表面温度が3℃高い」(ヒト)というデ―タがあります。つまり湿度が高いと暑いと感じ、それは湿度が高くなると汗が蒸散しにくくなるためです。しかし、これは人間での話であり、皮膚に汗腺が無いイヌでの状況はさらに深刻です。体温調節の苦手なイヌは、特に心臓病や気管狭窄など持病のある個体や元々換気に苦渋している短頭種などではより体内に熱がこもり、熱中症のリスクが高くなります。つい先日も熱中症で来院した患者さんがいました。この症例は晴れの日の午前中30分、アスファルトの上を散歩したそうです。犬種は短頭種のヨークシャーテリアでした。

 九州電力によると、「今夏の節電要請の期間を7月2日~9月7日に設定し、緊急時のために準備を進めている計画停電については、管内を支社別に2分割し、交互に実施する案の検討を開始。 節電時間は、期間中の平日午前9時~午後8時。病院などの公共性の高い施設については運営に支障のない程度の要請にとどめる意向。 電管内の節電目標は、政府案では2010年夏に比べて12%、他電力から電力の融通を受けた場合は10%。約7%の節電を達成した昨夏より、さらに5%の上積みが必要になる。 計画停電は九電の支社を福岡、佐賀、大分、宮崎と、北九州、長崎、熊本、鹿児島の2グループに分割。電力需給を均等にするため、両グループから交互に計画停電地域を選ぶ。病院や鉄道など公共性の高い施設は対象外とすることも検討。」としている。

 上に示したように、雨の日が多く高温多湿のこの梅雨時期、注意しなければならない疾患があります。グリーンカーテンも良し、簾もよし、扇風機(弱の首振りで)も良し、打ち水(室外機も含む)も良し・・・・・色々ありますが、何といっても消費電力が多いのはエアコンです。家に2台以上ある家庭では、1台だけの運転でかつ26~28℃の温度設定とし、さらに扇風機を回しながら・・・考えられるあらゆる手段を駆使して節電に心掛けながら、夏を乗り切る工夫をしてください。ペットボトルを凍らせて動物の横に置くのも良いでしょう。「ひんやりマット」を敷くのも良いでしょう。「これは是非おススメ」の耐暑(対暑)法があったら御一報下さい。

文責:獣医師 藤﨑 由香

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