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4月11日(金)のMRTラジオ「ドクター・ヒデのワンニャン譚」の内容をアップしました

 もうすっかり春ですね。本郷北方のたばる動物病院近隣の田んぼは田植えが済んでかれこれ2週間が過ぎ、仕事を終えて帰る頃にはカエルが忙しなく鳴いています。春が来て暖かくなると、動物病院は慌ただしい時期になります。

 気温が15℃以上になると蚊の繁殖と吸血活動が見られるようになり、犬にとってはフィラリアの予防を開始しなくてはなりません。その他にも狂犬病をはじめ予防接種の時期にもなります。

 昨年は台湾で52年ぶりに狂犬病が確認されました。イタチアナグマという野生動物で最初に確認され、イタチアナグマに咬まれた子犬でも発症が確認されています。(狂犬病ワクチン未接種)日本も島国だから大丈夫とは言えないですね。また、気温が上がってくると、皮膚病や外耳炎などの病気も増えてきます。

 犬を飼ううえで最も大切と言っても過言ではないフィラリアの予防ですが、宮崎の場合4月から12月まできちんと服用してもらえば完全に予防できる病気にも関わらず、いまだに感染して来院してくる犬が絶えません。一度感染すると寿命が短くなるのはもちろん、咳や腹水などさまざまな症状が出て相当苦しみます。かつ、治療を行った場合経済的な負担も大きくなります。「去年1年間予防を怠ってしまった、途中で飲ませるのをやめてしまった」という場合にたった1年予防しなかっただけだからといって診察を受けずに予防薬を投与することは危険です!フィラリアの予防薬は“予防薬”と呼ばれますが実際には体の中に入ったフィラリアの子虫を殺すお薬です。このため、最後に蚊をみかけた1カ月後までお薬を飲ませる必要があるのです。もし万一感染している状態でフィラリアの予防薬を飲ませてしまうと子虫から毒素が出てショック症状を起こしてしまう危険性があります。また、フィラリアの子虫が死ぬと肺動脈にいるフィラリアの成虫が心臓へ下りてきてしまうことが分かっています。必ず感染していないことを確認してから、予防薬を投与するように注意してください。また、もし感染していた場合には成虫を駆除しなくてはなりません。生命に関わるリスクの高い治療になるので十分にかかりつけの獣医師と相談し納得の上で治療を始めなければなりません。感染しないように毎年きちんと予防してあげて下さいね

 担当:獣医師 藤﨑 由香

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