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5月23日(金)のMRTラジオ「ドクター・ヒデのワンニャン譚」は「改正動物愛護法」でした。

 今日は昨年改正された「動物の愛護および管理に関する法律」、改正動物愛護法についてお話します。改正動物愛護法は平成24年9月に公布、翌年施行されました。今までの動物の虐待及び遺棄の防止に加えて、動物の健康および安全が加わり、今までの人の為の法律から人と動物の共生する社会を目指すような法律へと変わっています。

 変更されている代表的なものを紹介したいと思います。1つ目に「命を終えるまで適切に飼養することにつとめなければならない」「みだりに繁殖しないように適切な措置を講ずるように努めなければならない」ということから、行政の犬猫引き取りは拒否することが可能となりました。例えば、販売業者からの引き取り、繰り返し引き取りを求める場合、老齢・疾病を理由に引き取りを求める場合。飼育困難とは認められない場合、譲渡先を見つけるなどの取り組みを行っていない場合などは行政が犬猫の引き取りを拒否することができるようになりました。
 改正前は行政は引き取りを求められた場合、引き取らざるを得ませんでした。一部譲渡される子もいますが、一定期間を過ぎるとご存知のように殺処分されます。処分数は年々減ってきてはいますが、それでも平成24年度の殺処分数は16万頭にのぼります。人間の身勝手な都合でこんなにも多くの命が失われている現実を知らなければならないと思います。

 2つ目に販売方法でも変更された点があります。対面販売の義務と飼育説明の義務というのが新たに加わっています。つまりこれはインターネット販売を禁止するということになります。あらかじめ販売する動物の状態を確認し、飼育方法など必要な情報を提供することが義務付けられました。インターネットの写真だけで気軽に動物を購入するのではなく、実際に見て、動物を飼うということの責任や経済的に大丈夫かどうかなど家族でしっかり話し合ってから購入してほしいですね。そしてそのことが適切に飼育する責任へとつながると考えています。

 3つめに犬猫を販売出来る月齢も規制が加わりました。生後56日齢未満の子犬・子猫の販売が禁止されます。3年間は緩和措置がとられていて45日齢未満での販売が禁止されています。小さい頃の方が可愛らしいし、日本人はまだまだ小さい頃から飼育した方が慣れるという感覚が強いそうで、実際に病院に来院する子犬・子猫もまだ小さい生後56日齢未満の子がしばしば見られます。生後早い段階で親や兄弟から引き離してしまうと、吠え癖や噛み癖などが生じやすいと言われます。生後2~3ヶ月の時期に親や兄弟で一緒に生活することで犬として、猫としてのルールを教わります。また、生後間もない動物は病気に対する抵抗力が十分でなく、輸送などのストレスが加わることで体調を崩してしまうことが度々あります。

 動物愛護というと欧米諸国が進んでいますが、今回の改正で日本の動物愛護法もようやく近づいた感じがしますね。欧米では生後2ヶ月未満の動物の販売は以前から禁止されていて、国によっては生後3カ月未満の販売が禁止されていたり、ペットショップで子犬・子猫を展示して販売すること自体が禁止されているような国もあります。飼育に関しても細かな規則があり、一定の敷地がないと飼育出来なかったり、適切な飼育がなされていないような場合の罰則も日本と比較すると重く、今後の飼育を禁止するような罰則もあります。

 人と動物が共生するよりよい社会を目指して今回の改正は一歩前進ですね。

文責:藤﨑 由香

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