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2015年8月21日(金)のMRTラジオ「ドクター・ヒデのワンニャン譚」は「ドライブの注意点」でした。

(藤﨑):今日は犬猫を連れてのドライブについてお話します。もうすぐ夏休みですね、愛犬・愛猫を連れてのおでかけを計画している方もいらっしゃるのではないでしょうか?今まで出掛けたことがないという子を急に車で遠出に連れて行くとなると大きな負担になります。もし、家で世話できる方がいらっしゃるのであれば置いてくというのも犬猫にとってはいいのかもしれません。しかし一緒におでかけしたいという場合にはしっかりと準備して出掛けてください。

(戸高アナ):出掛ける予定はないという方でも病院に来るときには車使われる方も多いでしょうし、参考になりますよね。

(藤﨑):まずどうやって連れて行くのかですが、そのまま車内でフリーという方も多いですよね。あるペット保険会社が調べた結果によると39.3%もの人がそのまま連れて行く、大型犬では75.5%の方がそのまま連れて行くと答えています。しかし、飛び出し事故や運転席に動物が来てしまう、急ブレーキで投げ出されてしまうといった思わぬ事故の危険性があります。2012年には山口県でトイプードルを膝の上に乗せて車を運転していた男性が道路交通法で逮捕されています。同法では運転者の視野やハンドルを妨げる行為を禁じていて、ペットを抱き抱えての運転がこれに抵触するといいます。

(戸高アナ):窓から顔を出してるワンちゃん見かけると可愛いなと思って見ていると、急に飛び出しそうになりヒヤっとしたことがあります…

(藤﨑):1番確実なのはキャリーケージやクレートに入れて乗せる方法です。

(戸高アナ):一見窮屈そうに見えますが、動物は狭いところが落ち着くという話が以前ありましたよね。

(藤﨑):その他にもセーフティハーネスといってシートベルトと固定することができるハーネスやシートベルトと固定するタイプのボックス、座席にシートをつけて足元へ転げ落ちるのを防いでくれるものもあります。それぞれ一長一短あって、キャリーケージだと熱がこもりやすいので注意が必要です。ハーネスやシートタイプでは自由にできる分、足が引っかからないようにしたり、窓を勝手に開けてしまわないようにパワーウィンドウのロックも忘れずに行ってください。

(戸高アナ):それぞれメリットデメリットあるので自分の子に合ったものを選ぶといいですね。大型犬でも利用できるものもあるのですね。

(藤﨑):次に車に慣らすことが必要です。車に乗ると楽しいと思ってもらうことが大事なので、まずは近場の公園など動物が楽しい場所へ連れて行きます。慣れてくると徐々に距離を伸ばし、ドライブの時間を長くしていきます。

(戸高アナ):いきなり連れて行くのではなく、様子を見ながら少しずつですね。

(藤﨑):慣れると喜んで車に乗ってくれる子は多いです。喜んで車に乗ってきたのに病院に近付くとブルブル震えだしたなんて話をされる飼い主さんは多いですよ。

(戸高アナ):人でも車酔いしてしまう方いらっしゃいますよね。せっかくのドライブが辛いですが、ワンちゃんネコちゃんでも車酔いはありますか?

(藤﨑):中には車酔いしてしまう子はいます。吐いてしまうと分かりやすいですが、元気がなくなったり、ヨダレが出てくる子もいます。

(戸高アナ):人だと酔い止めのお薬ありますが、犬猫にありますか?

(藤﨑):薬もあります。まずはドライブ前2~3時間は食事を与えないようにしてください。それだけでも酔いにくくなります。またこまめに休息をとる、水分補給をすることも重要です。高速道路のパーキングエリアなどドックランが併設されている場所も増えてきています。こういった施設もあるので車酔いの有無に関わらず安全運転にもなるので1~2時間おきの休息を心がけたいですね。それでも酔ってしまう場合にはかかりつけの獣医さんに相談してみてください。くれぐれも人用の酔い止め薬を適当に飲ませてしまうのはやめてください!

(戸高アナ):車酔いしてしまうと可哀想ですよね…

(藤﨑):そうですよね、中には慣れて平気になる子もいますが、こればっかりは体質なのでどうしても車酔いするという子の場合には無理して連れて行くのではなく、他の交通手段を考慮してりペットホテルを利用したほうがいいでしょうね。

(藤﨑):また、意外と揺れる車内で踏ん張っていると足腰に負担が掛かってしまいます。

戸高アナ:人はドライブ楽しいですし、おしゃべりしていると長時間でも平気ですが、動物も必ずしも同じとは限らないのですね…

(藤﨑):それから車内の置き去りも注意してください。ちょっとだけだから大丈夫と思っても意外と車内の温度は簡単に上昇します。ある実験データでは外の気温が23℃でも締め切った車内では49℃にもなります。楽しいドライブで熱中症なんてことにならないように短時間でも車内に動物を残して出掛けることのないようにしてください。
しっかりした準備と安全運転で楽しいドライブにしてください!

文責:獣医師 藤﨑 由香

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