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「今週のCT症例」・その19

症例19 パピヨン 5歳 避妊雌
跛行で来院した際に血液検査を実施したところ肝酵素上昇を認める。肝酵素上昇による症状は認めず。
その後、治療によって跛行はすぐに改善されたが肝酵素上昇が持続。食事療法や強肝剤投与を行っても数値の完全が認められず、総胆汁酸も高値のため、精査を実施。
CT検査にて肝臓の器質的変化や門脈体循環シャント(※)がないか確認したのち、肝生検を実施した。
CTでは腫瘤病変など画像診断で検出できる器質的な変化は認められず、シャント血管も認められなかった。
病理検査の結果、血管構造異形の所見が得られ「微小血管異形成」と「銅の過剰蓄積」が疑われた。

※門脈体循環シャントは本来であれば肝臓へ行くべき血管が後大静脈へ短絡してしまう先天性もしくは後天性の血管の異常である。
門脈体循環シャントが認められた場合にはシャント血管を閉じる外科手術が治療の選択肢として考えられる。

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