コンテンツへスキップ

歯周病見て見ぬ振りしていませんか?

▼歯周病は犬では80%、猫では70%に認められるといわれるほど、よくある病気です。
▼歯垢(プラーク)中の細菌の種類は500種を超え、1mg中に10億個の細菌が存在するとも言われます。また、犬猫の口腔内のpHは8~9のため唾液中の炭酸カルシウムやリン酸カルシウムが飽和状態で存在します。その結果、歯垢が石灰化して歯石に変化するのは犬では3~5日、猫で7日と人よりも早いことが知られています。
▼歯垢や歯石の付着をそのままにすると、歯肉炎を起こします。歯肉炎の段階で治療をすると改善しますが、歯肉炎がさらに進行すると歯周組織が破壊され歯周炎になり、元には戻らない状態に進行してしまいます。
▼治療法は、歯肉炎の場合デンタルケアが中心ですが、歯周炎まで進行した場合には全身麻酔下での歯石除去や抜歯といった歯科処置が必要になります。
▼歯周病を放置すると歯の問題だけでなく、全身への影響が考えられます。僧帽弁閉鎖不全症、糖尿病、肝疾患、腎疾患、呼吸器疾患との関連が報告されています。たとえば小型犬に多くみられる器官虚脱の場合も、歯周病の治療により、発咳の軽減やその病態の進行に有益であることが知られるようになりました。「高齢なので可哀想…」と歯科処置を長年ためらっていた飼い主さんが、「いよいよ痛みで食事することも大変になった」ということで抜歯すると、目力が蘇り若返ったように元気になる犬猫も珍しくありません。
▼また、別の病気の治療に影響することもあります。例えば、糖尿病や免疫不全の疾患になってしまった場合や、治療で免疫抑制剤の投与が必要になったケースでは、歯周炎が原疾患の悪化を促進させたり、歯周炎と関連する全身性疾患へ悪影響が懸念されています。人では外科手術や抗がん剤治療を予定する患者では、口腔内細菌が肺炎を惹起したり血液を介しての全身感染を起こさないために、あらかじめ手術や治療の開始前に歯周病や齲蝕の治療を済ませておくことが必須とされています。
▼最も一番重要なことは、歯周病にならないように日頃の口腔ケアをすることが大事ですが、歯周病になってしまった場合には早めの対処をお勧めします。

《当院での歯石除去の流れ》
麻酔前検査(血液検査、心臓エコー検査など)※午前中に来院
  ↓
全身麻酔
  ↓
歯石除去(スケーリング):超音波スケーラーを用いて歯石を除去します
  ↓
抜歯が必要な場合には抜歯・縫合
  ↓
歯面研磨(ポリッシング):スケーリングでできた歯面の小さな傷を研磨します
  ↓
覚醒・終了 ※夕方お迎え

▼口臭が気になる、歯石がついている、お家でデンタルケアどうしたらいいのか分からないといった場合にはお気軽に当院スタッフまでお尋ねください。

先頭へ

電話受付