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血液検査(生化学)の注意点・その1<正常値の決定要因>

 最近では多くの動物病院で院内検査ができるようになり、他院で行われた検査結果のコピーを目にする機会も多くなりました。そういうなかでのここ最近、「前の病院では異常と言われたが、(今回正常なのは)どういうことなのか」との説明を求められます。そこで、まず正常値の決定要因について書いてみます。
▼血液検査の検査項目にはそれぞれ基準値が設けてあり、人と動物はもちろんですが、犬と猫でもその基準値は異なります
▼基準値の設定は、若くて健康な個体の95%が含まれる数値を基準値として設定してあります。このことは、なんら問題のないにもかかわらず、5%の個体(動物)は基準値外にあるということです。
▼基準値は測定方法や検査の機器によっても(無視できない程度で)変化します。
▼どの動物病院も上記のことを前提として検査結果を分析し、診断をします。同じメーカーの検査機器を使用しているならば、機器個別の多少の差異はあっても、動物病院によって基準値が大幅に変わることはありません。
日本国内で主に利用されているメーカーは主に3社です。会社がこと違えば、当然ながら測定原理や測定法そのものがことなりますから、基準値(正常値)も無視できないほどの差異が生じます。
国内の主要3社は富士メディカル社とIDEXX社、アークレイ社です。表には当院で導入しているそのうちの2社の基準値を示しています。国内の動物病院では地域によって各社のマーケット・シェアに差がありますが、九州圏内では3社が拮抗しているようです。(本州・関東では富士メディカル社が5割のシェアを占め、IDEKK社が3~4割、残りの1~2割がアークレイ社ということです。)

次(その2)は、飼い主さまが自分のイヌ、ネコの血液検査結果値を正しく読む(理解する)ためのイロハをレクチャーしますので、乞うご期待ください。

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