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8月7日(土)と8日(日)のケーブルテレビ「スクランブル・宮崎」#18のテーマは「外耳炎」です。

 今回のテーマは「外耳炎」

●外耳炎は犬・猫で頻繁に見られる。頭をふる、頭を掻く、変な臭いがする…と感じたら、外耳炎の疑いがある。

外耳炎はなぜ起こる? 外耳炎は様々な原因により生じる。
アレルギー(アトピー、食物アレルギー)
・外部寄生虫(ミミヒゼンダニ、毛包虫)
マラセチア(酵母菌)・異物(植物、泥など)
細菌感染症
・角化異常症
・内分泌疾患(甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症)
・自己免疫疾患
・腫瘍など
 
●外耳炎は、以下の要因によっても罹患しやすい。
・耳道が狭い(ブルドック、チャウチャウなど)
・耳道に毛が多い
・耳が垂れている
・高温多湿(梅雨時期やシャンプー)
・シャンプーや川遊びなどで外耳道に水が入る、など

●外耳炎になると、細菌感染、酵母菌(マラセチア)の増加、外耳道の狭窄が生じる。マラセチアの増殖により、黒褐色の耳垢が増加し、特有の臭いを生じる。耳垢の狭窄は、炎症により表皮の肥厚および角質の増多、真皮の浮腫が生じることによる。治療の開始が遅れると、真皮の線維組織の増殖、アポクリン腺拡張により外耳道狭窄は永続的に狭窄する。

●犬や猫の外耳道は人とは異なり、垂直耳道と水平耳道からなる。そのため、外耳炎の治療で綿棒を使用すると耳垢を奥へ奥へと追いやることになる。その上、綿棒で皮膚を傷つけてしまい、外耳炎を悪化させてしまうことすらある。綿棒は禁忌である。

●外耳炎の治療の原則は専用の耳科用製剤、希釈した消毒液を使用し、時間をかけて丹念に洗浄した後に、原因に則した薬物を点耳することである。治療開始が遅れたり、徹底した治療で改善が望めない場合には(外側)垂直耳道摘出術、全耳道切除術などの外科的治療を行う。

文責:獣医師 棚多 瞳

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